arimasou16

夏へのトンネル、さよならの出口のarimasou16のレビュー・感想・評価

3.0
今、何の映画やってんだろ?と見るとスタッフ招待しての再上映ということで見てきました。殆どの予備知識ナシ。アヌシー国際アニメーション映画祭のことも会話中に知りました。

一番最初に印象に残ったのはeillの挿入歌。素人耳には宇多田ヒカルを彷彿する憂いを帯びた歌声と切ないメロディーが、この映画のイントロを奏でるにとてもマッチしていたように思いました。

雨、海、制服を濡らした女子高生、ローカル線、陰気なイケメン主人公、金髪のモブ友達、いかにも日本らしいアニメっぽいな、という感じです。

男女それぞれが抱えている喪失感、それを埋めに二人の共同戦線が張られる、ということでびっくりするぐらい登場人物が少なく、本当に二人だけで話が進んでいきます。

ヒロインは高望みしすぎなんじゃないか、と思えるんですけど、何万人もいる一人に過ぎないと卑下してしまうのは女性視点で、そんな彼女から憧れるものを持ってるのが、失うものは何もない彼ってのは、興味深い関係性なのかも知れませんね。

キャラ配置とか、パーツ一つ一つはありふれてるようで、話の展開は珍しく、シンプルなストーリーなんだけど飽きさせない、不思議な魅力がありますね。ただ、私なんか、女性が一人の男性をそんな思い続けてるものかな?という疑問があり、都合のよい男のファンタジーな気もしましたけど、女性の感想知りたいですね。

花火、トンネルといった部分で写実的?な映像も美しく、実写化してもいい感じになりそうです。刺さる人にはメッチャクチャ刺さりそうな作品だな、と思いました。
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