Adele

生きる LIVINGのAdeleのネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

全く期待しないで観賞してみましたが、なかなか良かったです

公務員生活53年
淡々としたルーティンの仕事
仕事も私生活も笑いも楽しみもなく、1日が過ぎていく
息子夫婦と同居しているが、イマイチ上手くいかない
そんな矢先、癌で余命半年〜9ヶ月だと宣告されたら…

自分が主人公ウィリアムズのように宣告されたら、後悔のないように生きようと思う気持ちはわかる
しかし、ウィリアムズが目覚めてからの言動は、観ている側を感動させようという感じも否めなく、その辺はあまり好きになれなかった

息子に自分が癌で余命半年だと打ち明けることはできなかったのか?
ウィリアムズの言う通り、息子にも人生があり、心配をかけたくないと言うのは本音だったのだろうか?
息子ではなく、ハリスに打ち明けたのもわからなくはない
身内より、他人に話す方が簡単だったりする時もある

また、作品自体もキレイなままで終わらず、息子の嫁が少し嫌な奴だったり、近所の噂好きの口うるさいおばさん等が出てきて、その辺はリアリティがあって、なかなかよかったと思います
観ている分には不快だが、結局、どこの国でも、いつの時代でも、あんな奴いるんだなと

せっかく男部下四人で誓ったのに、あれも結局、出世のためだとわかった瞬間、非常にがっかりした
ウィリアムズは、さすが年の功と公務員生活53年だけあり、今後、ウェイクリングが壁にぶつかる事や周りの連中のことをよく理解して、あの手紙を書いたんだと思う
だからこそ、ラスト、巡査とウェイクリングの会話が心に沁みました…

余談ですが、自分もハリス同様、公務員生活は全く向かない派です
昔、地元公務員の臨時職員や公務員下で仕事をしたことがあります
本当に今作で描かれているのと全く同じ体験をしました
部署内では皆、ピリピリした雰囲気
それなのに、やることがなく、資料の裏に落書きしている奴、デスクのPCでネット検索して時間を潰す奴
全て、就業中の出来事です

利用者として、役所を訪れた時も、今作のご婦人方のようにいろんなところにたらい回しにされ、話を聞いてもらえず
訪れた時ものみならず、電話でもたらい回しにされました
結局、いつの時代でも、どこの国でも公務員、役所関係って変わってないんですね
私は嫌いだし、苦手です
作品と関係ないレビューになってしまいましたが、タイトル通り、本当に生きるとはどういうことなのか?というのを再実感させてくれる作品でした
Adele

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