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東京2020オリンピック SIDE:Aのmumbleboyのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)
3.4
河瀨直美監督というと初めて認識したのが「山田孝之のカンヌ映画祭」という深夜ドラマで本人として出ていてそれ以外にも映画に出演した俳優のインタビュー動画を観たりはしていたのがちゃんと作品を観たのは今回が初めてでした。

最近まで今作を観る気も全くなかったというのも去年のオリンピックに関しては今でも開催は間違っていたと思っていますしNHK番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」での問題があって河瀬直美自身が弁解することもなく完全にそっち側の人なのかなと思い込んでいました。ただ最近聞いてたラジオ番組で今作が話題になっていて先入観なく観ると意外と面白いかもと思って観てみました。

実際に観て割と面白かったです。これが去年のオリンピックの総括という作品では全くないですがオリンピックのTV中継では見えていなかった部分が見れたというのは確かでした。選手に寄り添ったドキュメンタリーという感じでは良かったですが全体的なバランスはあまり取れてたとは言い難い作品でした。全体の割合がどれくらいか確実にはわかりませんが自分の主観でいうと4割くらい日本人選手出ていた様な気がします。それも日本国内向けだけという作品ならまだしもこれは一応毎回のオリンピックで作られる映画という作品なのかなと思うのでここまで偏っていると未来に今作を見直すとなった場合にはその点がかなり際立つのではと思います。個人的にももっと色んな国の色んな種目の選手を見てみたかったというのもあるし、コロナ禍でかなり制限があったとは思うのですがそれでももう少し多様性が欲しかったなと思います。視聴者が今、同時代の日本人以外が見る場合には選手ではない運営側の人物とかの事前知識がない場合も想定してもう少し説明があった方がいいかなとかは思いました。河瀨直美監督がそもそもドキュメンタリー作家ではなくそういう要素を嫌がるというのもあるかなとは思いますがオリンピックという国際イベントの記録作品という意味では監督の人選も含めて色々と最善が尽くされたかは疑問です。

最初に今回のオリンピック開催自体を過ちだと思っていることを書いて、例えば今の日本において他にやるべきことは山ほどあるし、これのために作った多くの施設が負の遺産としてこれからの日本の足を引っ張っていくとか書き始めるとキリがないと思いますが開催されて行われたスポーツ種目自体を否定はしないですし、種目によっては楽しんで見ました。オリンピックというもの自体がもう当初の目的からそれて問題がありすぎる行事になってしまっているのであり方自体が問われる時期になってきてると思います。
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