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魂のジュリエッタのmumbleboyのレビュー・感想・評価

魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)
3.6
去年観た「カビリアの夜」が最高に大好きな作品となっていたので同じくジュリエッタ・マシーナ主演の今作にも期待してました。

ですが、結果から言うとそこまで楽しめませんでした。フェリーニは白黒作品が特に美しいので初カラーの今作はどうだろうと少し懸念していましたが、やはりまだカラーではあの白黒の映像美には達していませんでした。今作は女性版「8 1/2」という感じもあるのですが、まだ時代は60年代でとても男女平等な社会ではなく「8 1/2」では主人公が好き勝手して勝手に悩んでいるという感じなのが今作ではジュリエッタ・マシーナは同じ様な振る舞いをする以前に夫の不倫に傷ついていてそこから自由になろうとあちこち訪ねてはみるものの何をしても虚しいという感じで、何か希望を見出す感じは見受けられませんでした。フェリーニとジュリエッタ夫婦も当時はかなり関係が悪化していたらしいですが、よくもこんな作品を撮ったなと思います。これを撮ることで何か関係を修復しようとしたのでしょうか。
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