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ピノキオのKSatのレビュー・感想・評価

ピノキオ(1940年製作の映画)
3.9
イタリアのガローネ版「ピノッキオ」を観て原作が全然違うことを思い知らされたので、再見。

なるほど、全然違うわな。そもそも、ピノキオがどうやって誕生するかも全く違う。でも、そのおかげで「星に願いを」という名曲が生まれたんやな。

でも、原作と違いすぎやな。命を宿した人形の冒険譚、という以外、ほとんどディズニーの創作と言っても良いレベル。ゼペット爺さんそんな貧乏じゃないし、ブルーフェアリーも単なるパツキンのネエちゃんだし、コオロギ出すぎやろ、、、なんなら、コオロギが主人公まである。

あと、根本に「嘘をつかず、良い子にしてたら、願いが叶う」というテーマがあるけど、これも何かいかにもアメリカの保守的なクリスチャンな大人たちが作った感じがして、ちょっと説教臭い(ディズニーがめちゃくちゃ保守派だったことは有名)。ここが最大の違いなのかもしれない。

でも、これはこれでやっぱり名作よ。鼻が伸びる場面やロバにされる場面、クジラの場面の怖さは、半端ない。大人になった今観てもめちゃくちゃ怖い。子供の時観たらトラウマになるわな。これを見せて「早く寝ないとロバにされるよ」と言ってきた死んだお祖母ちゃんを今でも思い出す。なるほど、これは効きますわ〜

そして、ディズニーらしい動きの面白さもずっとあって、見ていて全く飽きない。子供が飽きない映画作りのお手本やね。

何より、やっぱり「星に願いを」はホンマに名曲。しんどい時や疲れてる時に聴くと、いつの間にか涙が出るわな。この曲を生み出しただけで、ディズニーという会社が偉大だと言えるレベル。
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