KnightsofOdessa

エンパイア・オブ・ライトのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.0
[] 60点

サム・メンデス監督最新作。A24製作の『The Inspection』と共に、昨年のトロント映画祭でプレミア上映され、そのままオスカーレース爆走を期待されていたが鳴かず飛ばずになっちゃった一作。まぁ確かに、色々詰め込み過ぎだし、全方位に配慮しすぎて引っ掛かりのない映画になっている感じは否めない。トビー・ジョーンズがありえないくらい映写技師の仕事に馴染んでるのくらいしか覚えてない(あなたが選んで!と言われたときのニヤケ顔、オタクくんじゃん!と叫んでしまった)。あと、海辺の映画館というロケーションがいい。入り口から海が見えるあの感じ。もちろん、ディーキンスの撮影は良いが、それ以上の加点が出来ないのが難点。ロケーションもいまいち活かしきれてないように感じる。デイミアン・チャゼルが『雨に唄えば』で映画愛を語るように、サム・メンデスは『チャンス』で映画愛を語るのかと興味深い。流石に『バビロン』よりは映画館を"ここへ来る全ての人を映画史に巻き込む"という『ニュー・シネマ・パラダイス』的なパワーはあった。もう私は、彼女が『チャンス』を観て得た感動を映画では得られないんじゃないかと凹んだ。
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