もやし

ティルのもやしのレビュー・感想・評価

ティル(2022年製作の映画)
5.0
意外とアマプラ見放題。

どう考えても社会派だろと思うけど、内容は完全にヒューマンドラマ。これから戦いが始まる…というところで終わる。

かなり踏み込んだレビューするのでネタバレしまくります。すみません。




北部で自由に生きてきた天真爛漫の14歳のボー。南部の親戚に誘われて南部へ旅行。
母親が散々南部の危険性を伝えたにも関わらず、本当の意味ではわかっていなかった。

ある日買い物行って美人のレジの人に、何だか女優みたいに綺麗だねと言う。すごく怪訝な顔をする美人。この土地では白人に話しかけることすら変なことなのだ。
そして去り際にウィンクした瞬間美人ブチギレ。銃を探し出し、撃ち殺そうとしてくる。必死で逃げる。

そして美人の旦那はボーを見つけ出し、誘拐、リンチ、殺害。




ボーがめっちゃ愛らしいのよね。こんな愛らしい俳優さんよく見つけてきたなと思う。14歳にしてはちょっと幼い感じがする。マザコンだし。てか母親の愛情がエグいから必然か。


母親の住んでるところに棺が運ばれてきたときに母親が号泣するシーンがあるんだけど、あまりにもすごすぎて私も思わず号泣してしまった。
ちなみにボーは現地で埋葬される予定だったけと、母親の強い意志で、黒人団体に計らってもらって現地で埋葬することになったという経緯がある。それだけ黒人は酷い扱いを受けていた。


あまりにも酷い事件だったため起訴されたが、陪審員全員白人、閲覧席9割白人。黒人は6人までしか座る権利はなく、あとは立ち見。


黒人が証言してると閲覧席からうるせえニガーみたいな野次が飛んで皆爆笑みたいな酷すぎる裁判。勝ち目なんてあるわけもない。
あの美人が丸っきり嘘の作り話してて、このクソ女… 一発でいいからぶん殴らせてくれと誰もが思うだろう。




本当に母親の愛の話、としか言い様がない。もう愛、愛、愛。息子をどれだけ愛していたか。それを伝えることに全力を注いでいた映画。
めちゃくちゃネタバレしちゃいましたが、実際に描写を見ないと何も伝わらない映画。だと思います。

本当に辛い映画ですが、覚悟ができたらぜひ。
もやし

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