”魂がSNSで形作られている”
ケイト・ブランシェット様ありきの作品。映画界の至宝🥺
かなり余白も多いので、こちらの想像で補われる部分がたくさんあったので映画後の考察を読むと理解がグッと深まる。
時間を支配する指揮者として成功していたターが、後半になって時間に支配されていく様子はもはやホラー。狂気さえ感じる。
欲望にまみれて崩壊していく姿も、描き方はとても静かだけど観る者に与える衝撃は大きい。
いわゆる”キャンセルカルチャー”の渦中の人目線になれるような感覚。
ただ、男性優位の業界でトップにのし上がるには、女性性を捨てて男性として振る舞わなければ同等として扱ってもらえなかったのでは、とも思う。
それでもやはり自分の中の女性性にこだわる部分が、今回の問題に繋がってしまったのではないかと。
本来ター役は男性だったらしいけど、女性に変更したのは正解。
堕ちるところまで堕ちた彼女の手元に残ったのは音楽への愛。
実家に戻り、師匠のスピーチを聞いて泣くシーンは音楽を心から愛しているのがひしひしと伝わってジーンときた。
私はあのラストシーンは、ハッピーエンディングだと思う。
🎼🎮
12本目 / 2024