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灼熱の魂のsahoのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.7
”人は真実を前に沈黙する”

と、とんでもない映画だ…。壮絶すぎる…。
よくあるどんでん返し映画とは違って、ラストだけが衝撃なだけでなく、最初から最後まで衝撃が続く。
"1+1=1”の意味が分かった瞬間の演出なんてもはやホラーだったよ…ゾクッとしたわ…。

母の遺言履行のため、双子が母の故郷を訪れる。
政治や宗教等の人間社会が作り出した不条理な悲劇に対する、一人の女性の魂の怒りと愛の叫びが怒涛のように押し寄せてくる。
目を塞ぎたくなるような悲劇の連続の経てのあのラスト。
普通の状況であれば、「いやいやそんなこと…」と思うのに
ナワルの悲惨すぎる人生を見させられた後だと、「なるほど。。。」と納得せざるを得ない圧倒的説得力と描写力。
墓場まで持って行けないほどの愛と憎しみのアンビバレンスがあったのだと私は思う。
社会性もあり、ミステリーの要素もあり、メッセージ性もインパクトも、こんなに強烈な作品は稀有。傑作です!

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4本目 / 2024
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