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TAR/ターのGijoeGoのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.8
ケイト・ブランシェットの圧倒的な演技力に舌を巻く一作。
まるでドキュメントのような編集の仕方にサバサバとした彼女の感情のように思えた。

細かいカット割りでシーンがバンバン飛ぶ贅沢さ。そのつどキャストやスタッフがセッティングをして撮影してるのだから気の遠くなるような作業の積み重ねが伺い知れる。

オーケストラのマエストロが主役なのでそれに関わる人達や観客や生徒など膨大な人員が見え隠れするリッチな作品。

それでいて主人公の内面が崩壊していく様を見せつける非常にプライベートな話なのが興味深い。
過去のセクハラパワハラ疑惑で徐々に追い詰められ自身の楽曲制作にも行き詰まり家庭があるのに新しい可愛い子ちゃんを見つけてはデレデレする人間臭い人物が行き着いた先はなんと!という意表を突いたオチに面食らった。

何が伝えたかったのかは後でじわじわ効いてきそうな内容であった。
音楽家達の社会の話なのでよくわからない部分はあったが偉大な作曲家もプライベートは酷いモノだったと知られてるのでなんとなくジャニーズや宝塚、吉本、AKB問題みたいな事象は普遍なんだなと痛感。
そりゃあヤバくなったら雲隠れするよなと。
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