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そして誰もいなくなったのGijoeGoのレビュー・感想・評価

そして誰もいなくなった(1945年製作の映画)
3.7
アガサ・クリスティーの有名小説の映画化。
タイトルは知ってたがようやく鑑賞。

それまでに新旧のナイル、オリエント急行、クリスタル、地中海殺人事件等を鑑賞済み。

ポアロが出てこない本作、果たしてどうなるかと思ったら面白かった。
一人一人殺されて最後は…という犯人像が徐々に絞られていくサバイブな展開。
島に集められたのは皆罪人で屋敷のオーナー夫妻に招待されたという設定。

役者が個性的で一癖も二癖もありそうな人物達。
殺害方法はシンプルで残虐シーンなど無い大人しい描写で非常に上品。
衣装も皆、上流社会の人物なのでオシャレで素敵。
そんな人物が一皮剥けば人殺しをする自分勝手で残虐な人間という皮肉。

一人一人誰にも気づかれずに鮮やかに殺していく見事さ、オチはちょっとモヤモヤしなくもない。

主人公不在の誰も信用できないスタイルでストーリーやトリックにのめり込む作風が面白い。
白黒映画でほぼ屋敷内の限定シチュエーションだが10人の個性的な役者の演技で全然飽きない。

インディアン像が律儀に一つ一つ無くなっていくのは映画的なスパイスか。
インディアンの童謡になぞらえるのは後の横溝正史に受け継がれている?

ドラマ版もあるのでそちらも観てみたい。
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