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エンター・ザ・ボイドのGijoeGoのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
3.8
作家性強すぎのギャスパー・ノエ。
クライマックスに続いて本作を鑑賞。

今回は特に主役がドラッグの売人かつ愛用者だからか映像の内容も超が付くほどのドラッギーなスタイル。
まずタイトル導入からドラッギーでサイケなハイスピードクレジットにやられる。
そして早速主人公のドラッグ使用による体感映像。クスリきめた人はこんな感じに見えるのかなぁ。

早々と絶命して、後は浮遊霊となって東京の色んな場所に漂ったり過去の生い立ちや歌舞伎町でヤクの売人をやるに至った訳が挿入されて人物像が立体的になり単なるドラッグバキバキ映画ではなく映像の断片で物語っていくのが見事。

監督独自の目線の東京の切り取り方がcool。
浮遊霊だからかほぼ上から見下ろしてる映像が独特。ほぼキャストの顔がわからない。
それと主人公の後頭部越しの映像で観客は彼の目線というより守護霊のような映像が面白い。
ほぼその2種類の映像なのにこれほどまでに独創的で刺激的なのか。
眠気を襲うような浮遊感に包まれた映像に観てる観客が心配になる程の長尺。
後半になればなるほどどこへ向かって行くのかわからないドライブ感。
前半に話していた会話が後半に帰結したり何気に感動する。

ラブホでSEXしてるのにエロスより生命力のほとばしりを感じる描写。

火葬場や墓地、中絶された胎児や事故死した遺体など美しさとグロさがごちゃ混ぜになる観たら忘れられない衝撃の作品。終始不気味な音楽も相まって何とも言えない感じ。

輪廻なラストに驚いた。
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