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女子高生に殺されたいの8637のレビュー・感想・評価

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)
4.0
何も考えずに挑めて面白い!東山の計画と同様、とにかく完璧に練られた映画だった。女子高生の心理描写とは裏腹に軽快な教師のモノローグ。望まぬ展開の果てに待つ地獄以上の地獄。変態性と恥ずかしさでずっとクスクスしてた。映像の見応えも凄いなと思ったら、こんなとこにも相馬大輔がいた。

誰もが人生で一度きりしか経験できない"死"の中に、いかに完璧を求められるか。そんな考え方自体が斬新だった。
"オートアサシンフィリア"という精神病は興奮作用が死と直結するわけで、傍から見たら異常者。しかしそれが一種の美学や哲学にも見えてしまうのは、ストーリーテラーの田中圭が颯爽と計画を語り尽くすからだ。こちらが人間不信になるくらい善人ぶってた。

城定秀夫監督が本業とする(監督のピンク映画1本も観てないけど...)女性の映し方についても初めて知れたような。主にタイトルが映される時の女子高生カットや南沙良の撮り方が最高だった。そしてこの規模の作品の主要ヒロインの一人を河合優実が巧みに演じきったところはグッと来てしまった。
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