アンネの日記から飛び出した空想の友達キティが、現代のアムステルダムでアンネの軌跡を辿る今と過去をつなぐ物語。
アンネ・フランクはユダヤ人の悲劇の少女というイメージが強かったけどそんなことはない。映画が好きで、恋して、ときには不満も言う現代と何も変わらない14才の女の子だった。
史実を知っていても話が進むにつれて秘かに願った。逃げ延びてくれないかと。
列車に乗ってからは淡々と進むからこそどんな思いだったかと余計に想像してしまった。
日記は持って行けなかったのか、もう二度と戻れないことを悟って置いてきたのか。
終盤、民衆に語りかけるキティの言葉がどうしたって現実に起きていることと重なり打ちのめされそうになった。
80年近く経っても戦争も、難民問題も、迫害もなくならず、悲しんでいるこどもたちが大勢いることに。
できることは限られてても、どんなに小さいことでも無駄だと諦めずに行動できる人間でありたいなと思った。今をめちゃくちゃ考えさせてくれた映画。