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猫は逃げたのkuroのレビュー・感想・評価

猫は逃げた(2021年製作の映画)
3.8
中々離婚しない夫婦に巻き起こる猫の失踪と、それぞれの恋人たちによる、男女4人の物語。

序盤のだらだらと面倒なことを後回しにしてなんとなくやり過ごす生活から、カンタがいなくなってから動き出すそれぞれの思惑からのめくるめく展開は面白い。
全てが判明してからの修羅場なんてもはやコメディで、たまにうまいこと言っちゃたりして。他人からしたら滑稽だけどすました話し合いなんかよりよほど人間くさくて好きな場面。
優柔不断さも、嫉妬心も、竜巻のような行動力も、押しの弱さも愛しく思えてくるから不思議だ。今作もさすが今泉監督。

結局のところ見習うべきは人間に振り回されても、騒がず慌てず、マイペースに愛を育んだカンタなところがまた可笑しい。
ほっこりさせてくれたカンタにまた会いたくなる作品であることは間違いない!
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