HidekiIshimoto

アンネ・フランクと旅する日記のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

4.0
イスラエルやパレスチナで何がどうなってんのかは不勉強で未だよく解らないんだけど、そんな無知俺よりさらに何がどうなってんのか分かりようのない年齢の子供達が、分かってんのか解ってないのかよく判らない大人達の手で大量に殺害されたことは、このイスラエル人監督の『戦場でワルツを』で激烈にわからされた。前作の『コングレス未来学会議』も人類ごと難民化していくような痛ましい映画だった。やっと観たこの最新作もよく分からないでいる子供目線からの痛ましくも不思議な映画だった。"ナチスに殺された子どもの数150万"のテロップにはめげるというか人間がわからなくなる。ハッピーエンド風にはなってたけど、どのみちあの国を追われた難民の人達が不慣れな異国で苦労することには変わりない。どの国でもどの場所でも大人どもに訳も分からず振り回されるのは子供達で、けどそんな大人達も元は子供だったわけで、生き延びた子供達がどんな大人になるのかもよく解らないし、俺的には人類がよくわからない。この監督は毎回心が麻痺するような悲しみを観せてくる。