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彼女のいない部屋のbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ切なくて苦しい映画。もうちょっと映画として楽しめるように作ってくれていれば超名作になったかもしれない。

家出をする主人公、残された夫と子どもたちの暮らし、子どもたちと似たような年頃の子をストーキングする主人公…と場面が複雑に入り乱れる。実は主人公は夫と子供たちを事故で失っており、彼らが今も自分のいないどこかですくすくと成長し暮らしているという幻想を見ることで、現実の辛さから目を背けていた。この物語構成自体は本当に見事。

ただ、そんなわけで映画の大半はさまよう主人公と普通に暮らす三人の家族のシーンが延々と映し出されるだけなので、信じられないくらい退屈なのだ。時系列も崩されているので、ストレスも溜まる。いつまで経っても物語の全容が見えてこないことへのイラつきもあるが、オチを知っていたところでやっぱり飽きてしまうレベルの間延びっぷり。設定自体は胸を打つだけに、とても勿体無いと感じた。もうちょっと見せ方を工夫したり、それぞれのシーンについてしっかりとしたエピソードや伏線を仕込んだりすることができれば良かったのになぁ。
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