ケイコ 目を澄ませてのささいのレビュー・感想・評価

声という表現に頼らないからこその繊細な作品。
ボクシングがモチーフであるもののテーマは人と人との繋がり。
「話しても人はひとりでしょ。」という言葉が音の聞こえない静寂の世界で生きるケイコの命題。その中でも会長だけは話さずとも伝わる心の関係ができている。鏡でシャドーの場面は名シーン。
エンドロールが終わって初めて作中に音楽が登場しなかったことに気付いた。その代わりに最後の最後に聞こえたのは縄跳びで床を打つ音。