このレビューはネタバレを含みます
近年の作品とは思えないほどノスタルジー満載。
たぶん古い時代設定で作られているんだろうね。色調もセリフも最低限であえて抑えて作られている。
荒川区?南千住とかになじみのある人は楽しいと思う。
最近はじめの一歩のアニメを見ているので、ボクシングものを見ようと思いチョイス。
女性ボクサーが主人公だから、試合のシーンはそれほど迫力がない。でもこれは、ボクシング映画じゃないからそこは気にならない。
(でも松山ケンイチのBLUEとかもおしゃれで好きだけど)
最初の1時間は、ケイコの淡々とした日常。あまり物語も動かないのでやや退屈。しかし、描き方は優しさに満ちている。
後半からは、その淡々とした日常がいかに大切で、貴重な日々だったかということがわかるので、生きてくる。
こんな作りこみ方もあるんだなと勉強になる。
どこにでもいそうな人たちが、それぞれの人生の主役であり、脇役となり支えあい、たとえスポットライトが当たらずとも、サマになるし心は満たされ、そしてほかの誰かの活力になってゆく。
そんな感じの地味で静かな、でも力強い作品でした。