nt708

ワンス・アポン・ア・デートのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

経営難を何とか乗り切ろうとするL.A.のコミュニティシアターで起こる恋のマジック。父親が手塩をかけて守ってきた劇場を何とか再建しようと奮闘する売れない脚本家のティファニー。父親の経営する不動産会社の再開発計画でホテルを買収しようと劇場に乗り込む敏腕ビジネスマンの御曹司・ジョシュ。

ジョシュは劇場の視察に行こうと周辺をウロチョロしていたところ、ティファニーに遭遇し、素性を明かせぬまま、公演が迫っていた芝居の主役に抜擢されてしまう。最初こそ戸惑っていたものの、芝居の面白さとティファニーとの恋に没頭していき、何が劇場を愛する人々にとっての幸せなのかを考えるようになっていく。物語の主軸はティファニーとジョシュの恋模様でありながら、親子の問題や都市開発の光と影など、よくよく見ると多種多様な題材にチャレンジしようとしていることがわかる。

結局、劇場の経営を立て直すためにジョシュが自分の保有している株の一部を現金化し、劇場に寄付をすることで、再開発を強引に進めようとする父を説得することに成功した(実際、父は息子のことが大切でならないし、息子の出演する芝居を観たことでその劇場が守ってきたものに気が付くことができた)。この辺はファンタジックなラブロマンスのお約束だろう。

ただ、個人的にはこうしたファンタジックな作品において小切手を手渡すような生々しい描写はしてほしくなかった。ファンタジーはあくまでファンタジーで、夢の中の世界で終わらせてほしい、、この一点を除けば、気軽に観られるラブロマンス映画として十分楽しむことができるのではないだろうか。
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