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天国と地獄のnt708のネタバレレビュー・内容・結末

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

5年ほど前に初めて観た本作。当時は黒澤明もこういう作品を作るんだと時代劇ばかりを観てきたから新鮮に感じた。

天国と地獄という題名の通り、人生はちょっとしたきっかけで良くも悪くもなってしまう恐ろしさを本作からは感じる。竹内だって立派な医学生だ。本作の結末とは真逆の人生を送ることだってできただろう。権藤もまたしかりである。

このように人生を二分で語ることはできないが、できるとしたらその分かれ目はどこにあるのか。時代か、社会か。黒澤の映画は社会を通して個人を観るから、個人の物語はある程度観客の想像に委ねられる部分も多い。そこが黒澤映画の面白さでもある。本作もまたやはり傑作だ。
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