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きさらぎ駅のKentaCのレビュー・感想・評価

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.6
異世界に迷い込むとされるネット上の都市伝説「きさらぎ駅」について、民俗学についての卒業論文のために独自に調べていた女子大生・堤が、その投稿者とされる葉山純子と出会い、当時の体験について話を聞く物語。

あの有名な「きさらぎ駅」を映像化ということで、個人的にも以前から好きな都市伝説だったので期待していましたが、まあ思い描いていたものとは違ったけどこれはこれで結構楽しめたかな、という感想です。

一人称視点で、葉山純子の語りと共にきさらぎ駅での出来事を追体験する、という演出でストーリーが展開していくため、そこそこ没入感があり、それを活かしたホラー要素もしっかりあります。

ただ悲しいことに、CGがなんせチープなので、CGが使用されているシーンのたびに「非現実すぎて現実に引き戻される」という何とも皮肉な効果を生んでしまっていたように思います。
「きさらぎ駅」のような非現実な異世界空間だからこそ、なんでもありではなくそこにどれだけ現実感と説得力を持たせられるかが大事かな…と、個人的には感じました。

ただ、終盤の人間の生への執着と、それを上手く利用する形で描かれたオチはひねりが効いていてなかなか良かったです。
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