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きさらぎ駅のtakamadsのネタバレレビュー・内容・結末

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今更映画化したところでっていう雰囲気が強く、また今までネットロアの都市伝説についてはB級映画としてTSUTAYAでレンタルして見るような類だった。本作はただ怖いという面よりはライアーゲームのような心理戦的なニュアンスが強い。

きさらぎ駅は2004年に2ちゃんねるから広まった都市伝説で、そこをベースに過去に異世界(きさらぎ駅)に行った人物を取材し、その手順を踏んだら実際にきさらぎ駅に行ってしまうというストーリーである。
語り部のストーリー展開を主として話が進んでいくが、その話を知っている主人公の大学生が内容を把握し過ぎて周囲の理解より先に先手を打って攻略していこうとするのが逆にシュールなギャグになってしまっていて面白い。令和に映画化されたとはいえ、SNS文化のようなものは感じさせず、地道に攻略するという正統派な進んでいく。ただ、パラレルワールドとしてありがちな、過去の言動と違う行動を取ると展開も変わってしまうという事態について行けずにばYOU DIEDとなる(ゲーム実況を見ているような展開)。

生き残りをかけた心の葛藤がありつつも攻略したと思ったら、実は語り部の言っていたことに相違があった(わざと騙して主人公をはめ込んだ)という衝撃の事実。ここで語り部が生還したキーパーソンとなる女子高生と再会する(語り部自体、現実世界で7年経過していたのに女子高生が現代に戻るのに2022年のため、18年経過していることになる。)。

語り部が、この体験から長年女子高生を救い出そうと攻略法を模索していたような痕跡が部屋から伺える(良心的に見えた語り部が実は一番狂っていたパターン)。
語り部の大切な姪ができさらぎ駅に行こうと試み、実際に着いてしまって、そこで一度顔を合わせたことのある主人公を発見する皮肉なラストで終わる(しかもYoutubeライブ配信)。
ただ、
・現実世界へ戻るトビラは最初に抜け出した人だけが利用できる
・血管のようなものに体を侵食されることでゲームオーバーとなる
・(こちらは考察だが)ゲームオーバーとなったものが集う空間にその"トビラ"があることから、恐らく一定の人数の犠牲が必要となる。車を運転していた異世界おじさんが「1人だけ乗れない」と言っていたので5人中4人は犠牲になる恐れが大きい。
・上手く交渉すれば異世界の人間がまだ正常なうちはある程度常識的な会話を行うことが可能に思える
の条件で攻略しなくてはいけない。映画を見たらわかるが、異世界は時系列が狂っていて、ガラケーの時代(2004年頃)で止まっている。個人的な見解として、主人公含め、ある程度正確な予備知識を持った人物が入れ代わり立ち代わりで生還して情報交換を行うことで、最終的に全員を救うことが出来るのでは?と考えられる。
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