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オオカミの家のtakamadsのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.3
実在するカルト教団のコロニー(コロニア・ディグニダ)を題材にした映画で、まるでその教団が子供に向けて「コロニーは安全ですよ」とアピールするためのプロパガンダのような印象だった。

ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』みたいな感じのドローイングと人形劇で、作品自体が謎のカルト感がある。音響の部分や展開が見る絵本みたいな感じで、シームレスに次の展開へ遷移したり、時の経過や奥行きも細かく再現されている。ラストは衝撃的な終わりだが、いろんな意味でもバッドエンドとしか捉えられない。全体的に子供が見る悪夢のようなものがずっと続くため、見るのに体力がいるし、子供に見せるビデオを装っているのが悪趣味(良い意味で)。

同時上映の『骨』もなかなかすごいクオリティ。1901年に作られた体でモノクロだが、それっぽい雰囲気で程よく不気味なのが良い。
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