「私は何を知っていて、何を知らなかったのだろう。」考えても答えの出ない問いに悩まされる有明優美。彼女は優しくて誰にでも好かれる”いい子”だが、昔から自己主張をするのが苦手だった。 そんな彼女は、ある日友人と飲みに来た居酒屋で、バンドマンの相模良亮と出会い、共通の趣味を通して距離を近づけて行く。 自己主張の少ない優美と、自由で包容力のある良亮は、見事に歯車が噛み合った。 「世界中全部なくなったってあなたの声が聞けたなら、もう何もいらない」と歌う二人は、一見すると誰が見ても幸せそうな恋人同士だが、良亮は優美にある秘密を隠し持っていた。 「私は何を知っていて、何を知らなかったのだろう。」あと一歩を踏み出すことのできないままの優美と良亮。 不器用な二人が正直になれたら、二人ぼっちになれたら。
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