1981年のパリ、離婚が決まり落ち込むエリザベートであったが、2人の子供を養わなければならず、働き口を探し始める。
自身もリスナーだった深夜ラジオ番組の職を得たエリザベートは、そこで家出少女のタルラと出会い、彼女に自宅の一室を提供して一緒に暮らし始めるが・・・。
ドラマティックなことが起きるわけでもなく、シングルマザーになったエリザベートや子供たちが成長し、前へ進んでいく姿をゆったりと描いている内容で、特筆するところはないような印象は受けるものの、全体的な雰囲気は心地良さを感じさせてくれる作品だったように思われます。
16mmフィルムでの撮影だったようですけど、途中挟まれるアーカイブ映像と画面比率が替わるのが気になりましたが、そこはまぁ瑣末なところ。
ラジオ番組を通じて色々展開される話だと勝手に思っていたので、そこに変な残念感が生まれてしまったものの、脚光を浴びるわけではない市井の人の生き方を、しっかりと最後まで見せきる構成力は素晴らしい。
エリザベートを演じるシャルロット・ゲンズブールの違った魅力も感じられるのもポイント。