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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのせっのレビュー・感想・評価

4.0

60年代のアメリカで妊娠が原因で心臓の病気が悪化してしまったジョイが、中絶をするために"ジェーン"という団体と出会う話。

この映画は、中絶という決断に至るまでの過程ではなく、ジョイが"ジェーン"に出会い自分の手で人生を選んでから本当に物語が動き始める。当初、女性に寄り添った活動をしているように見える"ジェーン"も、内情はシビアな利害関係の元合理的に運営されている。

さらに、自分の足で立っているように見える"ジェーン"達も、男性という絶大な安心感がある不確かなものにすがっていることが徐々に明らかになる。男性がいることって免許とか公的資格と同じようになぜか漠然とした安心感を感じてしまう。でもそれって男性がいるからどうにかしてくれるだろうという甘えだなと。

そこから女性達が自分達の主権を獲得していく。男性が施術をすることより、手術前後の女性達のケアこそ本当の安心をもたらす。女性が女性同士に感じる安心感って同じ気持ちを私たちは共有しているという共に歩める安心感なのかなと思っていて、皆で"ジェーン"だから私たちは強くなれる。

医師免許持ってない人達が手術をすることについては、疑問を感じるけども、この時代そもそも中絶手術をやることがほぼなかったことを考えると、医師免許持ったちゃんとした人が手術するのもそれなりのリスクあったんじゃ?と思った。その反面"ジェーン"達は中絶手術に特化して実績の数が明らかに違う訳だし。
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