ぶみ

MEG ザ・モンスターズ2のぶみのレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)
4.0
絶叫を楽しめ。

スティーヴ・オルテンが上梓した『The Trench』を、ベン・ウィートリー監督、ジェイソン・ステイサム主演により映像化したアメリカ、中国製作の海洋パニックで、2018年公開、ジョン・タートルトーブ監督『MEG ザ・モンスター』の続編。
マリアナ海溝に潜む巨大ザメ「メガロドン」や未知の生物に対峙する人々の姿を描く。
前作は鑑賞済み。
主人公となる潜水レスキューダイバーを前作同様ステイサム、彼の同僚を、同じくクリフ・カーティス、ペイジ・ケネディが演じているほか、ウー・ジン、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、スカイラー・サミュエルズ、シエンナ・ギロリー等が登場しているのに加え、前作で印象的な役どころであった海洋学者の娘となる少女を、これまた前作同様、ソフィア・ツァイが演じており、年相応に成長しているのも見逃せないポイント。
物語は、ステイサムが船上でダイバーではなくスパイかのようなキレキレのアクションを繰り広げるシーンでスタート、前半は、海洋研究所の海底探査チームが、原題のサブタイトルである「Trench」=「海溝」に潜り、メガロドンや未知の生物、またレアメタルを掘り起こそうとする別組織と対峙する様が描かれるのだが、海溝であるが故に映像が非常に暗く、大きな動きもないため、潜水艦ものを見ているかのような閉塞感が漂っており、少々、冗長に感じられたのが正直なところ。
ところが、後半に入り一転、舞台が洋上となり、映像が明るくなるのと同時に、今までの閉塞感が嘘のように解放され、てんやわんやの大騒ぎになっていく展開となるため、前半との明暗のコントラストは、かなりメリハリが効いたものとなっている。
とりわけ、終盤はビーチから陸上に舞台を移すのだが、そこで繰り広げられるバトルは、もはやサメ映画にとどまらないカオスな状態かつ何でもアリな展開となるため、良い意味で、一体何を見せられているのだろうという気にさせられることに。
CGがチープな面が散見されるし、前述のように前半が若干退屈だったのが難点ではあったものの、後半一気に巻き返しがなされ、これまた良い意味で前作に輪をかけたガバガバさを脳筋状態で楽しむことができるとともに、続編でありながら、前作を知らなくとも全く問題なく楽しめ、もはやサメ映画のカテゴリーにとどまらなくなった快作。

お前はバットマンか。
ぶみ

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