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PLAN 75のtakaのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.7
後期高齢者の75歳から自分で死を選べる法律が国会を通過した近未来の日本。冒頭、青年が年寄を猟銃で撃ち、自らもその銃で自殺するシーンは、静かで美しい映像と音響で描かれるだけにその後に展開するドラマの重さを引き立てる。ホテルの清掃員として懸命に働くミチ。その仕事仲間が倒れたこともあり会社側は彼女たちを解雇する。それでも職を探して努力していくものの生きる術を失う中でミチはプラン75の申込みをする。映画は、プラン75を勧める若い役人ヒロムと
相談窓口の若い女性成宮、死を選んだ年寄たちの死体整理をするフィリピン女性マリアがそれぞれの立場でこの現実に直面する姿を描き作品に深みを与えている。ミチの倍賞千恵子と孫ほど離れている成宮の河合優美が最期に電話で話すシーンは胸を打つ。残念なのは、プラン75を執行する建物の内情の設定や描き方にリアリティが欠けていたことだろうか。
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