taka

夜明けのすべてのtakaのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.9
PMSの若い女性とパニック障害の若い男性が、それぞれの職場で受け入れられずに街の小さな会社に出会う。光石研演じる社長を筆頭に仕事に追われることなく、仕事を含めた生活を大切にしている職場の先輩たち。競争や効率優先とは対極の雰囲気が二人を優しく包んでいく。決して安易な恋愛感情に収斂させていく展開にはしない。また、社長をはじめ二人の周りの人たちにも現代に生きる辛い事情があることもわかっていく。「ふつう」の人が抱えている「傷」が、現代においては癒やされないまま生きていくことを強いられている。もっと悩んだり、立ち止まったりしながらゆっくり歩いていってもいいんだよ、と静かに声をかけてくれる佳品です。
taka

taka