倍賞千恵子がとにかくいい。
老人が静かに死と向き合う映画というとノマドランドを思い出すが、あちらはどこか軽さや明るさがあったのに対して、そんな余裕もなくひたすら重苦しく救いがないのが日本のリアル。
PLAN75は莫大な予算がついてそうなプロジェクトだが、役所窓口はきょうび派遣社員だったりするし、コールセンターも元介護職も非正規だろう。過酷な現場で必死に働く若者たちの姿もまた日本の闇。10万円というのも例の給付金への皮肉だろうが、安すぎて中抜き感満載でこれまた妙にリアル。
個人的には安楽死賛成派だったが制度に対しての見方が変わったのである意味すごい映画。安易に導入してもこうやって弱者が追い込まれていくだけなんだろうな。
刺さる日本の社会派映画というものを久々に見た気がする。若い役者さんもみんなよいし音楽もよい。
安楽死賛成派は一度見ておいてほしい映画。
