らんらん

花婿の寝言のらんらんのレビュー・感想・評価

花婿の寝言(1935年製作の映画)
3.0
新婚でのろけまくってる夫婦に起こるちょっとした騒動を描くラブコメ
松竹製作、主演は林長二郎(長谷川一夫)、ヒロインは川崎弘子
助演に斎藤達雄、突貫小僧ら(その他の人はわからない)

【あらすじ】
冒頭、酒屋の御用聞きの小僧(突貫小僧)は草むらで寝ていた怪しいおじさん(斎藤達雄)と出会う、曰く心霊術師で心を読んだり病気を治したり出来るらしい
商売上顔が広いだろう小僧に斎藤達雄は病気の人はいないかと仕事の斡旋を頼み、小僧が案内するのが新婚夫婦の家です
そこの奥さんは旦那さんが出勤すると一眠りしてしまうらしい、それも毎日

場面は変わって新婚夫婦のお家
とにかくラブラブな夫婦(林長二郎&川崎弘子)、2人とも甘ったるい声でべったべたしてる、その様子に友人(お隣さん)は呆れています
で、その友人の妻のもとに聞き込みに来た斎藤達雄は奥さんの昼寝の件を話してしまい、それが旦那へ、そして長谷川一夫へと伝わっていきます

旦那のいない隙にぐうたら昼寝!それも毎日!と長谷川一夫は大ショック、にわかには信じられず家の塀から覗いてみたらほんとに奥さん寝てるし、、、これはもう離縁だ!

長谷川一夫の母親や川崎弘子の父親をも巻き込んだ騒動になってしまいます
怒り狂ってる長谷川一夫ですが、とりあえず昼寝をする理由を川崎弘子に問いただすのですがなかなかその理由を話そうとしません
その理由は、、、花婿の寝言ですw

【感想】
まぁー終わってみればくだらないお話、美男美女がずーっとイチャイチャしてるお話
うらやましいというよりは呆れる、妬ましくなるw 仕事とは言え2人ともよく恥ずかしげもなくあんな演技出来るもんだ

長谷川一夫って大映時代のイメージしかないんだけど(林長二郎時代は雪之丞変化しか見たことない)、晩年でも中性的な感じあるしそれほど違和感はない
これが月形龍之介とか大河内伝次郎だったら大ショックだったでしょう
昔はこんなラブコメなんかにも出演してたんですねー、普通に現代劇に出てるのは違和感あるかも
それにしても、、、若くてほんとかっこいい!

で、ストーリーのほう
毎日朝っぱらから、旦那が出かけた途端、嫁はぐうたら昼寝
まあ、現代でも何て嫁だ!ってはなりそうではあるかな
でも裕福な家で女中さんいるし別に家事どうこうではなく、人としてだらしないってのが問題か

でもそれでいきなり離縁だ!なんてのも乱暴だと思うなー、時代だなー
普段は元気なんだもん、病気で寝てるとも思わないだろうし仕方ないのかなー

「そんなに了見の腐った女だとは今の今まで思ってもいなかった」「断然離縁する」とたがが昼寝してるくらいで大騒ぎ

この辺のやりとりとか、親たちの意見で板挟みになる長谷川一夫なんか凄く面白かったんだけど
オチがちょっと弱いかなー、結局イチャイチャを見せつけられただけ
ほんわかだったり粋だったり、そんなラストが見たかった
らんらん

らんらん