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僕らの世界が交わるまでのJPのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.7
▼暴走する片想いムービー!

オカンと息子、ふたりのヤバさがちょっとずつ明らかになって、ゾクゾクする!

エヴリンは、息子が食べなかった夕飯を包んで、頼まれてもないのにカイルに届ける。マジで片想いの暴走で怖い。車内でかかってるクラシックの怖さよ!

ジギーは、ライラのラップ風ポエムに勝手にメロディーをつけて、配信で披露して投げ銭をもらってしまう。この考えに至ってしまうまでの、苦し紛れでなんとか社会問題・環境問題の歌を作ろうとする場面が、もはや痛々しくて見てられない。

そんなふたりが失敗したまま幕引きとなるのが、凄く良い!
ラストカットの高速道路の2台の車が横並びで走って、決して交わることがないように、劇中、決して歩み寄ることのなかったこの親子。ところが、ちょっとだけ歩み寄る希望を感じさせて終わる。あっさりしてて、観客に今後の二人の反省と改善を想像させて終わるのが◎
カイルやライラに振り向いてもらうのがゴールではなく、この親子が歩み寄ることこそが、実は今作のゴールに据えられているように感じた。
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