ブレンダン・フレイザー奇跡のカムバック。
アカデミー主演男優賞に輝いた彼の演技だけでもう一見の価値あり。
『ハムナプトラ』で世間に根付いた″理想の男″像の裏で、ハリウッドの闇と私生活の問題で苦悩し自分の世界に閉じこもったフレイザー氏と、過食症の主人公チャーリーの人生がリンクする。
注目して欲しいのは、″咳″と″食事″の演技。
こんなに見ていて辛い食事シーンは初めてだ…。
登場人物は少ないながらも、意味の無い台詞やシーンが全くと言っていいほど無い。
相変わらず監督の完璧性が素晴らしい。
今作、影のMVPは、元妻メアリー役のサマンサ・モートンさん。おそらくチャーリーの人間性を最も理解している人物。
今作はひとりの男の″贖罪″の話だが、忘れてはならないのは、チャーリーは自身の衝動的な性格から浮気に走り、様々な人を不幸にし、今も巻き込んでいるということ。
チャーリーに感情移入していた観客に、別の視点を与えるメアリーの言葉には大変重みがあった。
そして、娘エリー役は『ストレンジャー・シングス』のマックス役でおなじみセイディー・シンク。
宣教師トーマス役は、『アイアンマン3』のハーレー役でおなじみタイ・シンプキンス。(ハーレー大きくなったな~😭泣)
2人とも抜擢に応える素晴らしい存在感!
しかし今作、『マザー!』的な、人物一人ひとりに何かモチーフがあるのかな?考えすぎか…