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ザ・ホエールのピポサルのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.3
なぜ自分を捨てたのかと怒りをあらわにするエリー、いわばエイハブ船長が白鯨であるチャーリーと邂逅したのはさすがに泣ける。白鯨は目の前の肉体をただ純粋な気持ちで追いかけただけではあるが自分のやってしまったこと、そしてその結末に苦悩を抱えていた。赦しを得たいという気持ちが徐々に救ってあげたい、人生に希望を持って生きてもらいたいという使命感に変わっていく。その誠実な人柄によってチャーリーのまわりに人が集まってくるのがわかる。
ブレンダンフレイザーの演技や特殊メイクもさることながら、アパートのセットや美術も素晴らしい。陰湿な空間だからこそそこで生まれていく希望や救済が際立って見える。あと、ピザの配達員であるダンがいることで全体のバランスがとても取れていた。よくできてる映画だなと思った。
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