つまらなくはないまでも、飛び抜けた魅力はないかな。。
ストーリーに厚みがなく男女3人の共同生活のゆくえはお決まりの展開を辿るのみだし、彼らが実践する宗教/信仰は戯画的というか明らかに陳腐、珍奇なものとして描かれていて、盲信的であることをハナから馬鹿にしたような視点で進んでいく。
カルトのありようを俯瞰的に楽しむことがしづらければ、各キャラクターへの感情移入も難しい。
宇野祥平だけは信仰に至るにたる説得力を抱かせるだけの描写があって、悲哀が感じられて良かった。
物語後半になると予想外の展開があるものの、クライマックスのモブシーンにも緊張感がない。ギャグっぽすぎるわりには面白くもなく、ただチープな印象。。
原作は未読だけど、エロ描写とその機能はいかにも城定秀夫的。
女性が性を開放することによって人生そのものが開かれていく。
「報告できません」「臭いでしょ？」とか、足の指をモゾモゾと絡め合っているところとか、そのへんくらいまでは良い。
ただその先は、セックスシーンの描写も含めやっぱりAV的なご都合主義が先に立っちゃう。ゾクゾクするような生々しさというよりは、AVをなぞったような男性の欲望のための性的表現というか。「私のせいですね」「中に出していい」とかさ。。
レイプされてからの「濡れちゃた」はさすがに引く。あれを"人間の業"みたいなものとしてやや好意的(肯定的)なニュアンスで描写するのはどうなの。「懺悔」「犯す女」にも似たようなとこあったけどさ。。
総じて男性の欲望に忠実な女性として描かれているのが気持ち悪い。
