恋愛映画でありながら、恋愛についての映画とも言えるし、それ以上を描いてもいる。
共感したり考えさせられたり、見終えてから人と語りたくなる。その意味でかなり開かれた作品だと思う。人それぞれの恋愛観や経験も刺激してくる感じ。「花束みたいな恋をした」を想起したり。
登場人物ほぼ三人ながら、背景情報は希薄で、ほとんど記号的なくらいの描写にとどめている。それゆえ多くの人が感情的にコミットしやすい作りになっている。
恋と愛、大人と子どもの描き分けが印象的。恋は自分のため、愛は相手のため。7年間一緒にいて未だ、そっと相手のコップに水を汲んであげられる男は強い。。
刺激はないけど心地良い暮らしと、エモくて運命的なときめきを感じる関係、という人生における最大の二者択一。そこに男と女の考え方の違いや、性差ゆえ置かれた社会環境の違いも絡んでくる。
本筋とは関係ないながら、ちょこちょこ気になるところもあった。あの3人の会話は流石に彼への配慮がなさすぎない？とか、あの年代で飲み屋であんなビートの曲かかってる？とか、女性の方は20代前半を演じるには無理あるでしょ？とか。。
