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その場所に女ありてのxoのレビュー・感想・評価

その場所に女ありて(1962年製作の映画)
3.3
1962年製作というのが信じがたいくらい、今の社会にも通ずる視点がある。主人公を中心に群像劇的に物語は展開し、周りの男や女のありようを映し出していく。情感を込めないドライなタッチで、男性の横暴さや女性の過酷な現実というものを描き出している。

男性しか名を連ねないオープニングクレジットに始まり、序盤は「これはちょっとキツいかな…」と思って見ていたものの、見ているうちに印象が変わってくる。作り手は、明らかに男の身勝手で傲慢な振る舞いを批判的に描いている。
女の描き方はややステレオタイプ。"男勝り"だったり"気風が良い"だったりに価値を置いていて、男性社会に適応している姿を理想的な姿として描いている。
とはいえ、この時代にしては相当にバランスが優れていると思う。型にはまった「理想」を押し付けようとしていないし、恋愛至上主義を否定してもいる。
主人公がぼそっと呟く「男ってどうして自分を作るだけしか女を必要としないのか」。これは今の日本社会においても有効に響くのが悲しい現実。
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