アクションが心理を物語る映画の至高みたいな作品で、かつ「コロナ禍の裏窓」という喰えないプロットで映画が撮れてるすげぇソダーバーグ。
ルーチンワークをモニターナメ、俯瞰で撮って、殺人音声のファイルを聞く瞬間にモニター視点のアップで彼女を撮る。
向こう側から視られてしまう感覚。これが撮れればもうバッチリだと確信出来る。
ショットを変えるだけでルーチンに差異が生まれた事が分かるメディア=映画だと理解しちゃってるからこその理知的な巧さに満ちていて、スカしてるように感じるけどそれでも巧いし面白いから最高!
特にあの殺し屋三人組の一人がやたら長身なのとか、どうしたら面白くなるのかとことんわかっている。
あのチビとノッポの殺し屋、滅茶苦茶切れ者なんだけどショット切り替わると編み物してるお母さんが映って実家暮らしだとわかるハッカー、
ヒロインに音声データを寄越すよう誘導するブロンドの婆さん、
すげぇ冷淡に追い返される黒人のセックスフレンド、細部が充実しとる。