グラビティボルト

暴走パニック 大激突のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)
3.8
冒頭、渡瀬恒彦と小林稔侍が名古屋〜大津〜京都で銀行強盗を重ねて、神戸でも決行し、逃走中に小林稔侍がトラックに轢き殺されてしまう迫力が凄まじい。
ここからラストの室田日出男らとのカーチェイスまでテンションが途切れないのが強烈。傑作だと思う。

小林稔侍の兄貴である室田日出男が、渡瀬恒彦の持つ大金を奪い取ろうと即襲撃してくるスピード感も異様だったし、町中での発砲をヤクザは勿論警官も躊躇わないのが最高。
しかも、ラストの追跡劇に巻き込まれた一般人が破損した車両の恨みを晴らそうと積極的にアクションに加わってくるのも迫力満点

何してくれとんじゃこのポリ公が!
とか吠え散らかしながら追いかけてきて、自車が爆発するまで追跡をやめないタクシードライバーとか、巷のマダムまで加わってくるのがまさにカオス。
何をどうすれば解決なのかわからないまま、車両が玉突き事故、クラッシュ、炎上を繰り返していく。

最終的に渡瀬恒彦とヒロインがボートに乗ってチェイス、暴力の連鎖から降りる事で決着する・・・と思いきや字幕で逃走先のフランスでも銀行強盗を繰り返しているのが明かされるのが最高。最後まで主人公がアウトロー、はぐれ者のままなんだよね。