ミシンそば

オリエント急行殺人事件のミシンそばのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)
3.0
なぁんか観返せば観返すほどモヤっとさせられる作品。
それでも人気なんだなぁ。よく分からない。
あんまり同一原作作品を貶したり比較したりはしたくないけど、ブラナー版も同じくらいモヤっとする。

活字嫌いだからクリスティの原作は未読ではあるし、ラチェット(カセッティ)にとっては当然の報いではあるけど、ドラマ版のあまりにも潔癖なポワロを知った後だとどうにも心に靄が発生する。
復讐の正当化、探偵が感情に流された、その上でハッピーエンド風に終わる、それら事実がどうにもこの作品を純粋に楽しもうとする気概を阻害しようとして来ているように思えて仕方がない。
異常なレベルでキャストが豪華(イングリット・バーグマンを引っ張り出してくる本気の入れよう)なのだから、あんまり自分のように邪推深く考えず観るべきなのだろうが…。

あと、個人の所感ではベドウズさんの刺突が一番力こもっていたと思う。