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カリガリ博士のearlgreyのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
2.5
 結末から考えると深掘りはナンセンスなんだろうけど、見世物小屋の二人組として衆目に晒されていたカリガリ博士と夢遊病者チェザーレ、彼らが二人きりのときにどう過ごしていたのかもっと知りたくなる。
 博士がキャビネットのチェザーレの口元へスプーンを運んでごはんを食べさせていた場面とか、院長室で彼らが出会った場面とか、あとは死んだチェザーレを抱く場面。
 それらを見るに、単に研究のため、操り人形としてだけに留まらない情愛のようなものが窺える気がした。依存対象でもあったのではないか。

 それにしても100年以上前のモノクロのサイレント映画で、このオチとは思わなかった。
 どんでん返しと言い、一人の登場人物の顔に画面がしぼられる場面転換と言い、現代で見慣れた演出の元ネタを垣間見た気分だ。
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