ペンギン男の出自は惹かれるものがあったが、全体的につくりが雑。
キャットウーマンとW悪役(+悪人シュレック)なのもあってカオスで、観ている側に深く考える隙を与えず、勢いのままに終わらせようというような力技を感じた。
生まれつき奇形のために下水に捨てられた男が、水かきのような手を逆手にとってペンギン男に。まではよかったが、身ひとつで捨てられ地下で人知れず育った男にしては資金力が謎。
ほかにも細かいところで、オズワルドという人間を堪能する上で最低限ほしい部分が抜けていると思った。
廃屋と化した動物園やサーカス団をうまく利用したにしても、アヒルモービルなど大掛かりな装置に白けてしまった。
前作は、資産家(バットマン)VS ゴッサムシティ随一のマフィア幹部(ジョーカー)の構図だったので、派手な闘いも楽しめたのだが。
リアルなペンギンの群れが下水を泳ぎ回り、最後には武装してよちよちペンギン走りで特攻していく絵は、独自性があって面白かった。
キャットウーマンの方はうだつの上がらない秘書が、ビルから突き落とされるも植木や屋根に衝撃を分散したことで助かり、臨死体験によって精神的なリミッターが外れたものとして観ていた。
が、終盤ではサーカス団顔負けの身のこなしと戦闘力。なんだオカルトだったのかと残念な気持ちに。
シュレックの野望も、原発推進を主張していた序盤ではもっと奥深いものを期待したんだけどなあ……。
ゴッサムシティの電力を供給するのではなく反対に吸い上げる。→それでそれで?という気持ちには応えてもらえず、どうにもハリボテでお茶を濁された感が残った。
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前作では『まじっく快斗』を想起したが、今作では『ドンキーコング3』の雰囲気を感じた。言うまでもなく、バットマンが先だろうが……。