たそしだ

カリガリ博士のたそしだのネタバレレビュー・内容・結末

カリガリ博士(1920年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

色々な作品の元祖となっている、伝説的ホラー映画。
1時間にも満たないサイレント映画なので思いの外さくっと見られる。
丸尾末広作品のようなおどろおどろしい雰囲気で、1人で見るのは結構つらい。

青年フランシスが、中庭で美女を見かけて「彼女は僕の婚約者なんだ」と話す場面から話は始まる。
以降は、背景がひん曲がった絵のようになり(ドイツ表現主義)、舞台的な演出だが奇妙で落ち着かない。
祭りにやってきたフランシスは、カリガリ博士と眠り男チェザーレに出会い、チェザーレは群衆のひとりに死の予言を行う。このシーンがゾッとした。
そしてその予言を叶えるために、チェザーレは殺人を犯し、美女を拐う。
チェザーレを操っていたカリガリ博士が逮捕されたことで一件落着かと思いきや、まさかの結末が待っている。
実は、一連の話はすべてフランシスの妄想で、チェザーレや拐われた美女は精神病棟の患者、カリガリ博士はその医者で、フランシス自身も患者だったのだ。
「語り手が嘘をついている」といういまでは定番の手法だが、これを映画で始めたのはすごい。

見せ方とか、美術とか、いろいろと素晴らしく後世に影響を与えたのはもちろんだが、話も面白かった。
たそしだ

たそしだ