ジャロピー

REBEL MOON ー パート1: 炎の子のジャロピーのネタバレレビュー・内容・結末

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ザック・スナイダー版「スター・ウォーズ」。
二部構成となる予定で、本作はその第一部。
「七人の侍」を元ネタにした(というか、まんま)スペース・オペラだ。

■良かった点
・とにかくスター・ウォーズっぽい
スター・ウォーズ作品の中でも「ローグ・ワン」とか「アンドー」っぽい感じで、これらの作風が好きな人は楽しめるのではないだろうか。
カンティーナみたいな酒場のシーンでハン・ソロっぽい奴に出会うところとかまんまで微笑ましいし、ヘンテコな宇宙人、ドロイド、ブラスター、おまけにライトセーバーみたいなのも出てくる。あと、フォースまで…?
これがやりたい!というザックの思いが感じられて良いと思う。何なら本家のシークエルよりも良い出来だと思うし、まだ本家スター・ウォーズの監督に間に合うんじゃないかな?

・アクション
良かったと思う。主人公(俳優さん実年齢41歳!)は華奢な体型だけど頑張ってたし、最近のスター・ウォーズドラマよりも全然良い。ライトセーバーやフォースのような強力なギミックのアイディアがあるわけじゃないので、普通の銃撃戦と近接格闘戦なんですけどね。

・ストーリー
仲間集めについて、「七人の侍」では何人にも断られてようやく集まるのだが、本作は百発百中。実はこれが罠であったことが終盤で明らかになる。この辺の元ネタの取り込み方は上手いと思った。

■気になった点
・音楽
地味。ほとんど鳴ってない。耳に残らない。

・デザイン
地味。まず、衣装が普通すぎで世界観に浮いてるし、建物にも特にSF感は無い。SF作品の場合、世界観を伝えるためにはこういうビジュアルは大切だと思うんですけど、普通にアメリカの農村だし、普通に軍人なんだよな~。ただ兵器はモロSFなので、そのあたりバランスが取れてないと感じた。
本作が"スター・ウォーズの二番煎じ"から突き抜けるためにはビジュアル面で何か独自の特徴が必要だったのではないだろうか。

・キャラクター
地味。決して悪いとは言わないけど、インパクトのあるキャラクターがいない。何ならクライマックスのバトルでも主人公しか活躍してない。またドロイドの動きがあまりにも人間。機械っぽいデザインなのだからもっとカクカク動かないと違和感がある。

・ストーリー
「七人の侍」では、侍も野盗に落ちぶれるほど生活に困窮していたという世界設定があるので僻地の農村を襲うことに説得力があるが、本作で大艦隊を引き連れて農村を襲う意味がいまいち分からない。享楽的な破壊行為なら数週間後に又来るとか無いだろうし、貴重な鉱物があるとか、主人公や他の重要人物を追ってきたとか、本作特有の何か別の動機が必要と感じた。

・タイトル
Rebel MoonのMoon要素は回収されるのかな?
ただ語感がいいだけでは無い…よね?
来年4月配信予定の第二部を楽しみに待ちたい。
ジャロピー

ジャロピー