カトキチ

燃えよドラゴンのカトキチのレビュー・感想・評価

燃えよドラゴン(1973年製作の映画)
5.0
映画史に刻まれる一本。もしこの世に『燃えよドラゴン』という映画がなかったら?ということを考えると、この作品の登場が革命的/衝撃的であったことは想像に難しくない。カンフー映画というジャンルを打ち立てただけでなく(世界共通の言語になったという意味で)、ジークンドーという格闘技の可能性を全世界に発信し、その後の格闘技界への影響も計り知れない。アチョーという怪鳥音、驚異的に鍛え上げられた肉体、そしてその身体から繰り出される「アクション」は映画とは何か?という問題を再提起し、その映画記憶をサイレント映画まで逆行させてくれる。チャップリンやキートン、ロイドと並ぶまさにハリウッドスターの“登場”の瞬間にリアルタイムで立ち合えた人は人生の誇りにして良い。有色人種が主演のハリウッド映画というだけでなく、それが大ヒットしたという点も重要。何度観ても魂が震え上がるほどの「聖典」である。
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