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MEN 同じ顔の男たちのSPNminacoのレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
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赤い部屋と緑の屋敷。木から落ちるリンゴと落下する男。
主人公ハーパーがトラウマと対峙していて、この村と男たちが死んだ夫とミソジニーのメタファーで、ここまでして男の求めるものを聞いてやらなきゃないのかと厭な目に遭い続けた挙句、最後に用意されたカタルシス。敢えて…な状況にいて、敢えて一つ一つにはっきりNOを突きつけるのだ。もう笑っちゃうほどドン引いて呆れ果てるしかないし、彼女の答えは出てるのだが。私のせいじゃないと。
でも、心理スリラーの寓話仕立ては今更どうなんだろ。まるでアダムとイヴから男女が根源的に抱えた罪みたいな、壮大なスケールにするのは主語が大きすぎて、リアルな恐怖や孤立を物語るにはまわりくどい。陰陽二極しかない世界観もなんだかなあ。その点、『透明人間』はSF仕立てでもわかりやすく巧くいってた(同じ顔の男と見えない男は同じようなもの)。
男が男の厭らしさを露悪的に物語るのはいいとして、それなら女性視点より男性主人公で自分のこととして考える映画でいいんじゃないか。そういうのもひっくるめて、厭な状況だと画にしたともいえるが…悪趣味が目立っちゃってる。
とりあえずアレックス・ガーランドは植物もの?好きだね。あとジェシー・バックリーはやはり発声がいいというか、声がよく通る。
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