SPNminaco

セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのSPNminacoのレビュー・感想・評価

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主体性なく子どもっぽい大学生サロールに、ひょんなことから大人への扉が開く。それがアダルトショップや70年代バンド(ピンク・フロイド推し)、そして有閑マダム。サロールは店の経営者カティアと過ごすうちに、知らない世界に触れてお洒落に垢抜けていくのだった。
ヘッドフォンで雑音を塞いでいたサロール、過去に囚われていたカティアが未来へと踏み出すまでの物語。何もかも知り尽くした大人が若者を(お節介に)導くのは、きっとモンゴルのこの先へ希望を託した橋渡しなんだろう。2人の住む都会から少し離れれば何もない大地が広がっていて、その格差、政治不信やロシアとの近さも垣間見せる。
けど、新旧女性同士の繋がりは図式的すぎた。触媒としてのアダルトグッズも、ガールズトークやダンスも、型通りに見えてしまう。小さなミュージカルが挟まったりして(モンゴル・バンドの曲は割と好き)、ポップな青春映画にしたいのかと思えば画面に活気に乏しい。大人指南されるたび「んん?」と顔をしかめつつ、真面目そうで大胆なサロールの変化に焦点を絞った方が面白かった気がする。犬どうなった!
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