よーすけカサブランカス

カーターのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

カーター(2022年製作の映画)
3.9
カメラはとうとう人の手から自由になって自ら動けるようになった、みたいな映画だった。自由なのでカットが入れられることもなく(一応)、どんな場所状況でもついていける。
ワンカットが擬似なのは分かるけど、にしてもどうやって撮ってるの、と驚嘆しきだった。これは間違いなく偉大な達成だと思う。そうはならんやろ、となる場面もあるけどとにかくその意欲は認められるべき。
やはり思い出すのは1917だが、まだ人の手によるカメラの統制があったあれとは違う。ただそのことで物語自体にも統制がなくなり、緩急や起承転結がなくひたすらスペクタクルが起こってしまう。カメラがそれを求める、というべきか。
なので最後のオチもありがちな続編仄めかしであるが、あのカメラの前では平穏な時間などないという意味では、自然な展開とも言える。
まあ130分超えはちょっと長いと思う。