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かがみの孤城のもつのネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

総評
原作小説の繊細なストーリーが、キレイな映像で楽しめる
声優の演技に難アリ

◯良かった
 映像とか
小説では読者の想像に委ねられていた映像が、アニメになってるのはシンプルに嬉しい
BGMとかSEも幻想的で世界観を厚くしてくれていた気がする(声は微妙だけど)

 いじめの描写のリアリティ
ココロが追い込まれるシーンが、よくも悪くも臨場感にあふれていた
いじめっ子が、特に改心するでもなく最後まで嫌な奴なのが、作品の説得力を高めてると思う

 母の態度の変化
序盤はココロに厳し目に当たっていた母が、
喜多嶋先生との交流を経て味方になってくれるのが頼もしかった
学校に居られないから家にいるのに、家でも煙たがられていたらつらいよね……

 いじめられっ子の助け合い
時代を超えてお互いに支え合う姿が良かった

◯気になった
 声優の不自然さ
やっぱり声が気になるかなー
普通に声優さんに依頼した方が良くない? そんなに宣伝効果あるのかな?
一部、ちゃんとした声優さんも起用しているせいで、演技力の差が浮き彫りになって感じられる
(いじめられてる子は感情表現が苦手なんだろうし、これくらいが丁度良いかも……?)
と、脳内補完しようと思ったけどやっぱり無理かも笑
別に声優じゃなくても上手ければ気にならないんだけどね

 展開がちょっと端折り気味
原作が長編だから仕方ないけど、ちょっと尺が足りない感じ
(それでも、原作へのリスペクトは感じられたし仕方ない気もする)

 コナンのパロディ
こういうしっとり系の作品ではやらないほうが良いんじゃないかなー笑
いや面白かったし笑っちゃったけど笑
浸っていた世界観から急に引き戻されるというか……

 作品内ルールが不明確(原作を読んだのが昔過ぎて忘れちゃったのもあるかも?)
みんなが定時退社を破って狼に食われたあと、ココロが城に入るんだけど、もう定時過ぎてるよね?
時間過ぎてるから、入った瞬間食われる可能性とかもあると思うんだけど、ココロがそれを気にする様子がないのが気になった
それと、光の階段が消えていくシーン
演出としてはオシャレなんだけど、(え?時間制限とかあるの?なぜ?)
原因が分からなくてちょっとびっくりした笑
のんびり階段を歩いてるココロにやきもきした狼様がやったのか?笑

 最後のシーン
結局、記憶ってどうなったんだろ?
ココロも覚えてるのかな?

 結果的に、ココロの願いは叶った
見事に鍵を見つけたココロだけど、願いは仲間を助けるために使ってた
が、実際には冒頭の願いがきっちり叶ってる(素敵な人が超えをかけてくれる)

◯好きなシーン
 「ココロちゃんは毎日戦ってるんだよね」「私も一緒に戦うよ」
いじめを受けて家に引きこもっているココロは、学校に行っていなくても心のなかでは毎日戦っている
それを理解してくれたヒトたちの言葉が温かくてよかった

 嬉野が怒るシーン
空気の読めない嬉野が、みんなに見下されていることに実は気づいていたことが判明する
他人からの悪意って、結構敏感に感じ取れるものだよねー
それから、少しずつみんなに馴染んでいけてよかったね
現実世界での序盤嬉野タイプの人間は、死ぬまで治らないことのほうが多い気がするけど……

 「アイツらが来ないわけないんだ」
つっけんどんで冷めた印象のマサムネが、仲間を信じてる姿にグッときた
(嬉野とマサムネはベテラン声優が演じてるので感情移入しやすい気がする)
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